小児救急医からのメッセージ !子どもの病気ホームケア。ー 井上 信明 ー

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核家族化や少子化など、子どもとその家族を取り巻く環境は大きく変化しています。子どもが熱や咳を出したとき怪我をしたとき冷静に対処できるでしょうか。

子どもの状態に応じた適切な判断をするためにホームケアの重要性が増しています。小児救急の現状と課題、そしてホームケアの必要性について、東京都立小児総合医療センター 救急救命科 診療科責任者 井上 信明さんに話を伺った。

以下:井上 信明さんインタビュー。

私は「小児救急」という子どもの救急を専門にしています。アメリカで小児救急のトレーニングを受けたのでいわゆるER型救急といわれるアメリカで行われているスタイルの診療をしています。

「小児救急」と「小児科の救急」の決定的な違い!?

通常世の中の一般に言われる小児救急と言われるものとのは、「小児科の救急」になります。これは子どもの咳、鼻水、熱など、小児科医が主に対応している内科系の病気が主体になるものです。

それに対して「小児救急」の場合、内科系にとどまらず、外傷、外因系、精神科系、すべての子どもが対象になります。そのため、私たち小児救急医は、中毒、思春期の問題を抱えて自殺を試みた子どもなど、内科系、外科系、精神科系など、すべての子どもを引き受けてその初期対応をしています。

「ER型救急」は、重症度や原因に関わらず病院に来てからトリアージを行います。

私たちの診療スタイルを一言で表すと「どのような子どもで診る」ということです。

日本の昔からの救急システムは、「病院前トリアージ」といい病院に行く前に、ある程度、重症中等症、軽症を断させます。軽症な人は初期診療所、入院が必要な人は二次施設、重症な人は救命センターというように病院に行く前にある程度、受診先を選定されています。

一方で、私たちはER型救急といって、重症度や原因に関わらず病院に来てからトリアージを行います。

この北米型ERのスタイルをとる病院は現在日本各地にあり、多くの若い医師が注目しています。ただ都立小児総合医療センターのように小児に特化したERは国内でも、まだ数施設しかありません。

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