「くるみんマーク」という言葉はあまり身近ではないと思いますので、簡単に解説をしていきたいと思います。 もしかしたら皆さんのお住まいの近くの企業も認証取得をしているか、取得に動き始めているかもしれませんので、ぜひこれを機会に内容を理解してみてください。 くるみんマークとは何か? 「くるみんマーク」は子育てサポート企業の証です。 「くるみんマーク」を受けると「子育てサポート企業の証」という評価が与えられます。 現在約1,800社が認定を受けています。 行動計画を策定し、その行動計画に定めた目標を達成するなどの一定の要件を満たした場合、必要書類を添えて申請を行うことにより、「子育てサポート企業」として厚生労働大臣(都道府県労働局長へ委任)の認定に至ります。 くるみんマークが広がる背景 次世代育成支援対策推進法に基づいた行動計画策定が認定基準になっています。 次世代育成支援対策推進法は2015年3月31日までの時限立法で、政府の少子化対策の一環として、次世代の社会を担う子どもが健やかに生まれ、生育される環境を整備するために制定されています。 ただし、この法律の適応外となる従業員が100人以下の企業も申請できます。中小企業でも見逃せない認定制度です。 くるみんマークを取得するメリット 次世代認定マーク(愛称:くるみん)を、商品、広告、求人広告などにつけ、子育てサポート企業であることをPRできます。 その結果、企業イメージの向上、従業員のモラールアップやそれに伴う生産性の向上、優秀な従業員の採用・定着が期待できます。 取得・新築・増改築した建物等について割増償却ができます。 認定を受ける対象となった行動計画の計画期間開始の日から認定を受けた日を含む事業年度終了の日までの期間内に取得・新築・増改築をした建物とその附属設備について、認定を受けた日を含む事業年度において、普通償却限度額の32%の割増償却ができます。 9つの認定基準 認定基準としては、大きく9つあります。 1)雇用環境の整備について、行動計画策定指針に照らし適切な行動計画を策定したこと。 2)行動計画の計画期間が、2年以上5年以下であること。 3)策定した行動計画を実施し、計画に定めた目標を達成したこと。 4)平成21年(2009年)4月1日以降に策定・変更した行動計画について、公表および従業員への周知を適切に行っていること。 5)計画期間において、男性従業員のうち育児休業等を取得した者が1人以上いること。 6)計画期間において、女性従業員の育児休業等取得率が、70%以上であること。 7)3歳から小学校就学前の子どもを育てる従業員について、「育児休業に関する制度、所定外労働の制限に関する制度、所定労働時間の短縮措置または始業時刻変更等の措置に準ずる制度」を講じていること。 8)次の①~③のいずれかを実施していること。①所定外労働の削減のための措置②年次有給休暇の取得の促進のための措置③その他働き方の見直しに資する多様な労働条件の整備のための措置 9)法および法に基づく命令その他関係法令に違反する重大な事実がないこと。 行動計画は閲覧できる! 「両立支援ひろば」という厚生労働省のサイトでは、認定された企業の行動計画が閲覧できます。 作成するにあたって参考になる企業もあると思います。 「くるみんマーク」の意義 最後に「くるみんマーク」の意義について考えてみたいと思います。 仕事と子育ての整備状況や従業員のニーズを把握することができ、目標を設定し行動計画を立案できることは、客観的で分かりやすいとうことです。 ただし、「くるみんマーク」が付与されることで、”それを満たせばそれ以上は必要ない”という思考停止が起きてしまっては、本質的なdiversity(多様性)を満たせないことになります。 この「くるみんマーク」は2015年3月31日までの時限ですが、制度がなくなっも企業が当たり前にdiversity(多様性)を尊重した経営ができることができることが望まれます。